次世代スマートテレビ推進センターについて About advanced smart television promotion center
概要
一般社団法人IPTVフォーラムは、2013年3月29日に一般公開した放送と通信の連携を行うハイブリッドキャスト技術仕様に則った「次世代スマートテレビ」によるサービスを、以下の基本理念に基づき、ユーザが安全・安心に利用でき、かつオープンな開発環境の下で普及・促進させるために、「次世代スマートテレビ推進センター」を発足させ、ハイブリッドキャスト技術仕様に則った放送通信連携サービスの実施に向けた事業を行います。
基本理念
2013年5月31日、総務省「放送サービスの高度化に関する検討会」は、「スマートテレビに関する検討結果について」報告し、この中で「次世代スマートテレビ」の普及に向けた基本的な考え方として、以下の基本理念の実現を図ることが望ましいとしています。
1. 視聴者の安全・安心の確保
これまで放送が果たしてきた役割を踏まえ、「放送連動型アプリ」を通じて、視聴者に対して安全・安心にサービスが提供されていくこと。
2. オープンな開発環境整備
幅広い関係事業者が「放送連動型アプリ」の開発に参画でき、視聴者がスマートテレビ上で多様なアプリケーションを利用できるようにするため、関係事業者は、技術仕様を始めとする情報を公開するなどオープンな開発環境の構築に努めていくこと。
総務省検討会の報告では、さらに、放送連動型アプリが対応すべき、七つの要求条件について提言しています。
(1)「視聴者の安全・安心の確保」に関する条件
放送番組の視聴者の安全・安心を確保する観点から、放送連動型アプリについては、1)視聴者に対し、放送連動型アプリの特徴や魅力をより効果的に訴求できるようにするとともに、2)そうしたアプリケーションを一定の条件の下に管理し、その動作範囲を制御できる技術的な仕組みを導入することが必要。
以上の観点からは、放送サービスや受信機が以下のような要求条件を満たすことが望ましい。
- 放送番組の画面から、当該放送番組と連動したアプリケーションの画面へのスムーズな遷移。視聴者に対し、放送番組とアプリケーションとの連動の特徴をより効果的に訴求。
- 放送番組と連動したアプリケーションが複数ある場合は、これを容易に選択して先に進めるような遷移画面として、視聴者において、より多くのアプリケーション選択の機会を確保。
- 放送番組と連動したアプリケーションについては、当該アプリケーション毎に、視聴者における課金・支払が可能なこと。
- 下記(※)のような事態を回避し、視聴者の安全・安心を確保する観点から、スマートテレビ上のアプリケーションは、当該アプリケーションの動作、オーバーレイあるいは同時表示の可否を、番組単位、あるいはタイムコード単位で、放送波で制御可能とするための技術的仕組みの下に、動作するようにすること。
※ 視聴者の安全・安心確保の観点から回避すべき、例えば以下のような事態
- ア) 緊急警報放送など緊急時の報道視聴の妨害
- イ) 安全なアプリケーションになりすますなど悪意を有するアプリケーション等を通じた、個人情報漏えい、ウィルス等による攻撃、詐欺・悪徳商法に関わる危険
- ウ) 青少年保護の観点から望ましくない情報等の表示
(2)「オープンな開発環境整備」に関する条件
上記(1)の条件に対応した次世代のスマートテレビについて、その市場拡大を図っていくためには、放送事業の公共性にもかんがみ、アプリケーション開発者、受信機メーカーなど、放送サービスを直接提供する事業者以外の幅広いサードパーティーの事業者が、「放送連動型アプリ」の開発、提供に参加できるオープンな環境を整備することが肝要である。
このためには、上記(1)に対応するための技術的条件等について、アプリケーション開発等に関する意欲のある者なら誰でも知ることのできる環境を整備するとともに、こうした技術的条件等を遵守するアプリケーションに対応していくため、放送サービス等が以下のような要求条件を満たしていくことが望ましい。
- SI(Service Information)情報など、放送経由で提供される各種情報を、サービス(アプリケーション)において利用可能。
(例:検索用キーワード、番組関連HPのURLなど。)。 - 放送局サーバーから通信経由で提供される各種情報についても、サービス(アプリケーション)において利用可能。
- 上記、5、6の情報の活用等により、番組単位、またはタイムコード単位でアプリケーションの内容を自動更新可能。
以上を踏まえ、IPTVフォーラムは、ハイブリッドキャスト技術仕様に準拠した放送連携サービスの普及促進と、これらの基本理念ならびに要求条件を実現するための組織体制として次世代スマートテレビ推進センターを設置するとともに、普及促進に繋がる業務を担っていくことを宣言し、プラットフォーム事業者やアプリケーション開発者の届出などを受け付け、ハイブリッドキャスト技術仕様に準拠したサービス、ならびに、アプリケーション開発を実施することを宣言する事業者名を公表し、サービスの普及促進に貢献いたします。